【読書】『アウトプット大全』を学校に
先日、『アウトプット大全』を読んだ。
この夏に読んだ本BEST3に入るであろう良書。
さて、今日はこの本から「教師」として活用できる考えや実践を、3つアウトプットする。
いかに“自分事”として、インプットできるかも大切だ。
1.クッション話法を活用する
クッション話法とは、
相手によくない事実を伝える場合、相手にできるだけショックを与えずに伝える方法(p52)
なるほど…
では、実際にはどういう伝え方なのか。
まずはダメな話法から…
【NG例】
No But 話法
「最近、忘れ物が多いな。せっかく勉強頑張っているのに、台無しじゃないか」
これでは、先にネガティブな印象が先にくるため、あとからフォローをしても伝わらない可能性が大。
ここで「クッション話法」を使ってみる。
【クッション話法①】
Yes But 話法
「最近、勉強頑張っているね。ただ、忘れ物が多いのが課題だね」
ポジティブな内容を先に伝える。
これだけで、相手の心理的なダメージが緩和される。
【クッション話法②】
Yes And 話法
「最近、勉強頑張っているね。忘れ物が減ると最高だね」
ポジティブな情報に、さらにプラスの情報を上乗せする。
マイルドに伝えることで、相手の心が開いてくる。
【クッション話法③】
Yes How 話法
「最近、勉強頑張っているね。どうしたらもっとよくなるか一緒に考えよう」
ネガティブなことは直接伝えずに、疑問形式で考えさせる。
本人が「気付く」ことが最も大切。
このように、ネガティブなことを直接伝えないことで、相手に思いが伝わりやすくなる。
時には、あえて「ネガティブ」を先に伝えてから「ポジティブ」で気持ちを上げることもある。
ただ、それは一人一人に合わせて対応していくべき。
どんなにこちらの思いが強くても、相手に「きちんと」伝わなければ全く意味がない。
「伝え方の技術」は、教師にとっては必須のスキルだと思う。
2.自己開示の法則を活用する
自分の本音を「打ち明ける」ことは、人間関係を深め、コミュニケーションを深めていくためには重要な意味を持ちます。(p96)
ズバリ、自己開示の法則とは、
「自己開示するほど、親近感がアップする」ことである。
私個人の話になるが…
子どもたちに「自分の弱み」や「自分のマイナスな面」を見せることを極端に嫌っていた時期がある。
これは、子どもたちだけに限らず、誰に対してもそうだった。
「自分を強く見せたい」
「完璧でありたい」
こういう思いが人一倍強かったのだと思う。
が、ある時、意を決して子どもたちに「本音」を伝えたことがあった。
私にとっては、“大成長”である。
そこに至った経緯は、今回は省くが…
とにかく、自分の弱み、感情を伝えた。
すると…
自分の気持ちがスーッと晴れていくのと同時に、
子どもたちとの“距離”がぐっと縮まった感覚を覚えた。
こちらが自分の心を開いたからなのか、
これをきっかけに子どもたちも心を開いてくれたのかは分からないが、
「弱い部分やマイナスな部分も含めて、自分の思いをきちんと伝えることって、悪くないな」と思えた。
自分が自己開示をすると、相手も自己開示をしてくれる。
このことを体感した出来事であった。
それ以来、ガラリと変わったわけではないが、自分の思いを正直に伝えようと努めている。
それが、結果としてコミュニケーションを深めていくことになると分かったのだ。
3.ハインリッヒの法則を活用する
事故や災害を防ぐことに役立つ法則として「ハインリッヒの法則」というものがある。
つまり、「大きな事故」が起こる前には、約300もの「気にも留めない事例」があるということ。
だから、普段から「気にも留めない事例」に目を向けて対策をしていく必要がある。
同じことが、教室でも言える。
クラスで起こる「大きなトラブル」「大きな事件」
これらは、何の前触れもなく急に起こるわけではない。
「机を離す」
「陰口を言う」
こういうことが「いじめ」に発展することは、想像に容易い。
この「ハインリッヒの法則」をクラスで子どもたちと共有してもいいと思う。
取り返しのつかない『1』のトラブル・事件が起きないように…
『300』や『29』の小さなトラブルが、放置しておくと『1』に繋がってしまうということ。
決してトラブルが「0」のクラスなんて存在しない。
だからこそ、よりよいクラスにしていくためには『300』のトラブルの段階で1つ1つ解決していく。
こういう意識を共有してもいいと思うのだ。
以上、『アウトプット大全』を読んで、学校現場で生かせることを3つに絞ってアウトプットしてみた。
もうすぐ2学期が始まる。
この夏の間に、この本を読めたことはとても良かった。
いい学びとなった。