【楽しさと学力】何を優先するか
以前行ったセミナーで、こんな質問をされたことを思い出した。
楽しいけど、子どもに力がつかない授業
楽しくないけど、子どもに力がつく授業
あなたは、どちらがいいですか?
なんだか、すごーく究極。
カレー味のう○○と、う○○味のカレー、食べるのならどっち?なんて質問が昔に流行ったけど、それくらい絶妙(?)な質問…。
ちなみに、ここで言う「楽しい」とか「力がつく」の定義は省きます。
ご自身の感覚で考えてください。
私も、その時めちゃくちゃ真剣に考えました。
そして、「どちらにするか」挙手を迫られたので…
はっきりは決まらないまま「楽しくないけど、子どもに力がつく授業」に挙手しました。
会場全体では、どちらの立場にも挙手がありました。
そこで、講師の方がいいます。
私は…
楽しくて、子どもに力がつく授業でないといけないと思います。
ちょっと…ずるい!笑
けど、納得です。
当たり前ですが、そりゃ、そうですね。
セミナーでの話は、ここまでなのですが…
これについて、私自身どうだろうと振り返ってみたのです。
すると、ここ最近で傾向(考え)が変わってきているなと実感。
以前は、楽しさ優先でした。
ざっくりと言えば…
楽しく学習していれば、自然と力がついてくるだろうという考えです。
だからこそ、子どもたちが熱中するような授業、知的好奇心が刺激されるような授業を目指していました。
それもすごく大事だと、今でも思います。
ただ、そこに「子どもに力をつける」というはっきりとした思いは…なかったように思います。
誤解しないでいただきたいのは、「子どもに力をつけなくてもいい」と思っているのではありません。
子どもに力をつけていくのは、当たり前なのです。
その当たり前のことを、強く強く意識していなかったな…ということ。
今は、そこが強く意識されています。
「子どもに力をつける」
「子どもを伸ばす」
こういう思いが強い。
だから、冒頭の質問では、後者の考えに挙手したのだと思っています。
もう少し、具体的に話をしてみます。
例えば、2年生の担任だとして…
(私自身、2年生の担任経験はないのですが)
2年生では「かけ算九九」を学習します。
では3年生に進級した時、全員が「かけ算九九」を習得しているかどうか。
もっと言えば「かけ算九九」を自在に活用できるかどうか。
「7×8は?」と問われて、一瞬で「56!」と答えられる。
「かけ算九九」を習得していても…
「しちご35…しちしち49…しちは56…あ、56!」と答えている子、実際にいます。
九九は言えるけど…というレベルでは今後、桁数が増えた時やわり算のときに、スムーズに計算ができません。
「力をつける」というのは、一つにこういうことだと思います。
3年生では、「かけ算九九」はできることを前提で、教科書の学習が進んでいきます。
ただ、「かけ算九九」を習得できていない子も、決して珍しくありません。
もちろん、そういう場合は個に対応していきますが…
以前の自分だったら、そこの視点がすっぽりと抜けていたように思います。
きっと2年生を担任していても、「全員が九九を活用できるレベル」にまで鍛えていなかったと思います。
(もちろん学習において特別な支援を要する子もいますので、「全員」というのは一概には言えません)
楽しく、子どもに力をつけていく。
この視点を忘れずに、日々過ごしていきたいものです。