【響く】「先輩の夢って何ですか?」
高校時代、そして大学時代、私はラグビーをやっていた。
ラグビーを詳しく知らない方も、「なんとなく体を鍛えておかないといけないスポーツ」というイメージはあるのではないだろうか?
その通りで、特に大学時代は、筋トレにも励んでいた。
筋トレ、と言って何を思い浮かべるだろうか?
私は、ベンチプレスである。
こういうやつである。
そして余談ではあるが、私は大学を卒業してからも筋トレを続けていた。
つまり、ラガーマンとしての現役を引退してからも、ということである。
さらに言うと、教師になってからも、ということである。
そして、さらにさらに余談ではあるが、現役時代よりもベンチプレスのMAX重量がアップしたのである。
教員2〜3年目だったと思うが、当時MAX130kgをあげていた。
(ガチガチのラガーマンにとっては、130は大したことないかもしれないが、私にとっては大したことだったのだ)
ちなみに、小学校教諭である。
ベンチプレス130kgをあげる男が、小学生相手に算数を教えているのである。
まぁ、余談はここまでにしておいて。
そんな私を久しぶりに見た大学の後輩がこう言った。
「先輩は(学校の先生にも関わらず、そんなに体を鍛えて)一体、何になりたいんですか?先輩の夢って何ですか?」
もちろん、( )内のセリフは私の推測であるが、後輩の表情を見れば、なんとなくそのように伝わった。
私は、この質問に答えることができなかった。
「夢って、なんだ?」
私にとっての夢は、「教師」になることであった。
その夢は既に叶っている。
じゃあ、もう「夢」がない…?
なんだか悲しくなった。
「夢」をもたない教師に「夢をもて!」なんて子どもたちに言えるはずがない。
そう思った。
しかし、今なら自分の「夢」を語ることができる。
あのとき、後輩が発した何気ない問いが、私自身の意識を変えてくれるきっかけになったのかもしれない。
「夢」があるから、人は頑張れるんだ。
綺麗事かもしれないけど、私は本気でそう思う。