【何度も指示】時には大切
最近、本を読んで「おぉ…!」と学んだ実践の1つを紹介します。
これまで、私は「教師の指示は短ければ短いほどいい」「何度も同じことをいちいち指示するのは、教師として力量がないからだ」と思っていました。
いや、「思っていました」というよりも、今でもそう思っています。
やはり指示はダラダラと話すより、簡明に端的でズバリ言う方がいいです。
「一時に一事」の原則です。
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もちろん、そういった指示をするからには、子どもたち一人残らず全員に伝えなければなりません。
これは大前提です。
指示する前に、子どもが手に持っているものは絶対に机上に置かせるとか、教師の方に体ごと向かせるとか、そういう心構えを作ることは大切です。
しかし、子どもにとっては、その1回の指示がスッと入らない場合もあるのです。
「ワーキングメモリー」というのを聞いたことがあるでしょうか?
簡単に言えば、記憶する領域のことです。
ワーキングメモリーが少ない子にとっては、指示を記憶することが難しい。
絶対にいけないのは、「教科書を出して、ノートも開いて、今日の日付を書いたら、15ページを開けなさい」なんていう指示。
これには、①教科書を出す、②ノートを出す、③日付を書く、④15ページをあける、という4つの指示が含まれています。
ワーキングメモリーが少ない子にとっては、厳しいです。
というよりも、このような指示では、ワーキングメモリーが正常な人でも理解するのは厳しくなってくるのではないかと思います。
話が少し逸れましたが、ワーキングメモリーが少ない場合を考えると、冒頭にも述べました「何度も同じことをいちいち指示するのは、教師として力量がないからだ」という考えは、決して正しいわけではないのでは?と思ったのです。
じゃあ、どうすればよいのか?
方法はいたってシンプルです。
多少の変化をつけて、同じことを何度も言ってあげる。
例えば、「国語の教科書を出しなさい」という指示をするとき。
「国語の教科書を出します。国語の教科書ですよ。そう、出てきた、国語の教科書!」
「15ページをあけなさい」という指示をするとき。
「15ページをあけます。いいか、15ページだぞ〜!15ページあいたかな?」
「名前を書きなさい」という指示をするとき。
「名前を書きます。いいですか、な・ま・えを書くんですよ。さぁ、名前を書いてください。」
このように、何度も言います。
しつこいように感じるかもしれませんが、こうすることで「重要な情報だ」と脳がインプットしてくれるそうです。
これを知った時に「おぉ…!」となりました。
2学期から、このことを意識して、子どもにとって分かりやすい指示が言えるように心がけていきます。