【学び】『理科授業づくり入門』
私は、一応小学校の教師ですから、国語、算数、理科、社会、体育など様々な教科を教えます。
つまり、基本的には全教科の指導をするわけです。
そのために、先輩方から指導方法を教わったり自身で学んでいったりして、よりよい授業ができるようにしていきます。
ちなみに私は、よく本を読みます。
そこから学ぶことも多いです。
そして最近「理科」の授業づくりにおいて、「こ、これは…!今までの本とは一味違う!」と思った本があるので、紹介します。
授業に対する心構え
まずはじめに、この宮内先生の著書には授業で行う「実験の具体的な紹介」がありません。
だから、「明日の授業、どうしよう。そうだ、本から何かいいネタがないか探してみよう。」というときに読んでも、「明日すぐに使えるネタ」は十分には見つからないかもしれません。
そういう類の本は本屋さんに行けば、たくさん置いてあります。
私も、そういう本を何冊か持っていますし、そこから「実験」のネタをいただくこともあります。
では、この著書には、何が書いてあるのか。
ズバリ、一言で言うならば「理科授業づくりにおける教師の心構え」だと私は思います。
「理科授業づくり」と書きましたが、章によっては、理科に限らずどの教科にも当てはまる内容だと私は思います。
すべての指導が意図的計画的
著者の宮内先生は、一貫して「ほめる」ことの大切さを伝えていると思いました。
そして「ほめる」ための仕掛けを意図的に作ることも大切だと分かりました。
例えば、顕微鏡を使う場面。
慣れていない子どもは、なかなかうまく操作できないこともあります。
そのときに「事後指導」すると、それは「注意」になってしまいます。
けれども、「事前指導」で使い方を明確に伝えれば、「できたこと」を評価してほめることができます。
そのために、教師は事前にみっちりと計画を立てなければなりません。
そして、その計画を立てる際に支えとなるのが「教材研究」だと学びました。
子どもの目線になって教材研究
ここが、私の「概念」をガラッと変えられたところの1つです。
今までは教科書を頼りに、指導を計画していました。
「それのどこがいけないの?」と思うかもしれません。
けれども教科書に書いてある言葉って、いわゆる「隙のない」言葉であって、ある意味完璧なんですよね。
その例として「オリオン座の動き」が紹介されています。
「南の空に見えるオリオン座はどのように動くか」という問いに対して、「西の方に時計回りに回っていく」という解が教科書には掲載されています。
「西の方に時計回りに回っていく」なんて100点満点の解を自力で出す子って、一体どれくらいいるんでしょうか。
そういうところにも配慮をして、第一に子どもの目線に立った教材研究の仕方がこの本から学べたのです。
この方法を学べだだけでも、この本に出会えた価値が十分すぎるくらいにありました。
当たり前のことを当たり前に
これも1つの「哲学」だと思いました。
挨拶をするというのは、そもそもどういうことか。
なぜ、授業前に挨拶をするのか。
そういったことを細かく噛み砕いて考える。
そして、自分の腹の底から納得した上で指導にあたる。
とても大切な考え方だし、私も「ここは大切にしていきたい」ととっても共感しました。
これは、理科の授業に限ったことではないと思います。
宮内先生の大切にしている「哲学」がひしひしと伝わってきました。
まとめ
これらの他にも、実験をするにあたって配慮すべきことや理科授業の基本的な流れ、「金属」の授業実践など、勉強になるところがたくさんありました。
私は3年生担任であり、子どもたちにとっても初めての理科です。(1学期は終えましたが)
2学期からは、実験も増えてくるので、ここで学んだことを生かしていきます。
宮内先生のような授業、目指してみたいです。